公演によせて。
前未来形という文法がある。未来のある時点において既に完了した行為を語る時制であるけれど、良いダンスは、動作一つ一つがそのような「物語の成就」を目指しているように見える。
野球の打者がボールの軌道を予測するように、ぼくらもダンサー自身もこぞって、そこに身体が在ってほしいと希求する。すると、身体がそこに行き着く前に、緘黙の空間に美しい軌跡が響く。ダンスとは身体を動かす技術でもなければ、形式に凝縮された優美な表現でもない。
身体の底に残っている密やかな記憶、それらのざわめきに耳を澄まして、未来に静かに歩み寄る技術がダンスである。それは自らにふさわしい着地点を目指す、自明の物語だと思う。
川が無反省に大海を目指すように、ぼくらは自在に、ただ従う。涼やかな竝木のように。
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来ていただいた方、スタッフの方、感謝します。














